雇用者がサービス残業して幸せになっていないのであれば、それはホワイトでない。【週刊文春 ユニクロ潜入一年】
サービス残業や長時間労働、ハラスメントが多い企業をブラック企業、その反対で従業員を大切にしている企業をホワイト企業という。この企業はこう!と一概に言えない理由の一つに、雇用者と経営者との観点・価値観の違いがある。
この代表的な事例となってしまった企業「ユニクロ」。
そして、これを代表的な事例とした「週刊文春」
潜入のきっかけは、ユニクロが週刊文春を名誉毀損で訴えている際、ユニクロ柳井社長が発言した言葉にある。
「悪口を言っているのは僕と会ったことがない人がほとんど。うちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験してもらいたい」
これを聞き、著者が「じゃあ実際に働いてみよう。」となり、潜入が始まった。
実態として、記者が働いた3店舗いずれも、休憩時間は厳格に取らせる風土が根付いてはいるものの、サービス残業が発生しているのも事実とのこと。
本書の意外な点として、潜入記者がユニクロ柳井社長を尊敬し、ユニクロで働くことをワクワクしていたことにある。サービス残業の実態を暴いてやる!という正義感のようなものはほとんど感じられなかった。
サービス残業は実態としてある。しかし、それは会社から押し付けられているものか、社員自らの責任感によるものかは分からない。
ただ一つ言えるのは、動機が何にせよ、サービス残業によって雇用者が幸せになっていないのであれば、それはホワイトでないとういこと。
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