【書評】日本人としての教養レベルアップ!「学研まんが 古事記」学研教育出版
古事記は奈良時代に作られた日本最古の歴史書で、上巻・中巻・下巻の3冊で構成されており、それぞれ以下の期間の内容が書かれています。
上巻;天地創造~初代・神武天皇の誕生
中巻;初代・神武天皇~第15代・応神天皇
下巻;第16代・仁徳天皇~第33代・推古天皇
本著は、上巻の神々の物語と、中巻のヤマトタケルノミコトの伝説が書いてあります。各章ごとに、マンガでストーリーを進め、後半に解説文があります。マンガの部分が多目なので読みやすいです。
(Amazon Kindle unlimited で読める本)
この本を読んで、古事記のことを知れば知るほど、日本古来の文化であったり、出雲大社や伊勢神宮といった神社のことが分かるようになってきて、これが教養か~と感じました。
それでは内容を紹介していきます。
天地創造
まず最初に高天原(たかまのはら)と中つ国ができました。前者が神様が住んでいる場所、後者が我々が住んでいる場所です。
高天原に神様が生まれていき、最後に生まれたのがイザナキノカミ(男)とイザナミノカミ(女)です。
そして、他の神々はこの二人に仕事を任せました。それが、全てドロドロとした海である中つ国を固めて住めるようにという大切な仕事。この時、初めてできた島をオノゴロ島といいます。
そして、二人はこの島に神聖な柱を立てて御殿を作りました。ここを拠点に日本の国土を作っていくとともに、いろんな神を生んでいきました。
しかし、イザナミノカミが火の神カグツチを生んだ時、火傷で亡くなってしまいました。それを悲しんだイザナキノカミがイザナミノカミを呼び戻しに黄泉の国(死の世界)に行きました。
イザナキノカミの呼び掛けに応じ、イザナミノカミが黄泉神にかけあってみるが、その間は姿を見ないようにとイザナキノカミに伝えました。しかし、イザナキノカミは我慢できず姿を見に行ってしまい、結局失敗。
(日本昔話でも似た話がありますね。)
イザナキノカミは黄泉国のケガレを落とすため禊をしました。この時、三つの神が生まれ、それらの神に国を治めるようにしました。
アマテラスオオカミには高天原、ツクヨミノミコトには夜の世界、スサノオノミコトには中の国を任せました。
(スサノオのイラスト)
スサノオがヤマタノオロチを討伐したり、日本で初めて和歌を詠んだことも書いてあります。
ちょっとした雑学ですが、本を数える時は「冊」、お皿を数える時は「枚」というような形で、神様を数える時は何かご存知でしょうか?
答えは「柱」です。
これは木や柱、杭、串を神様の魂が宿るものとして敬い、あがめられていたからです。
国造り
稲葉の白兎の話や、根の堅州国での試練といった話もあります。
しかし、男の神が女の神を見て、「可愛い!綺麗!→結婚してくれ!」という流れがちらほらあり、若干脚色されてるのはあるかと思いますが、いつの時代になっても男は変わらないということでしょうかね・・・
天孫降臨
これは高天原にいるアマテラスオオカミが中の国を治めるために、いろいろな神を派遣し、結局タケミカヅチが力を示して、国を明け渡させました。
そして、治めるために派遣されたのがニニギノミコト。この時、アマテラスオオカミから渡された三種の神器が勾玉・鏡・剣になります。
中の国に来てからある程度立った時、ニニギノミコトに三人の子供ができました。それが、長男ホデリノミコト、次男ホスセリノミコト、三男ホオリノミコトです。
兄弟喧嘩の末、三男のホオリノミコトがトップに立ち、この血を継ぐ者が初代・神武天皇になります。
ヤマトタケルノミコトの伝説
第12代景行天皇の皇子としてヤマトタケルノミコトが生まれました。
景行天皇の命により、ヤマトタケルノミコトは西や東の地域を平定するよう言い渡されました。
そして、これらの地域に行く度に、ヤマトタケルノミコトの叔母で伊勢神宮にいるヤマトヒメノミコトに会ってから、各地域を平定してまわったそうです。
最後の平定場所である滋賀県と岐阜県の間にある伊吹山に行った際、山の神の返り討ちにあい、最期を遂げたそうです。
最後に
本マンガではここまでの内容が書いてありました。
子供ができた時、この本は紙の本で間違いなく買うことになりそうです。
あと、アニメやゲームで出てくる名前があり、あの監督・クリエイターはここから名前を取っているのか!と新しい発見があり、面白かったです。
例えば、アニメ「機動戦士ガンダム SEED」であればオノゴロ島やタケミカヅチ(戦艦の名前)がまさにこれですね。
日本古来の歴史を、大人も子供も楽しく学べる素晴らしい本だと思います。